2013年4月30日火曜日

偏見と誤解を乗り越えて

27日の土曜日 恒例の大熊由紀子さん(国際医療福祉大学大学院教授・ジャーナリスト)の主催する「『えにし』を結ぶ会」に参加しました。
第3部「日本も、本格的な認知症の国家戦略を!!!」では 冒頭 佐藤雅彦さん(1954 年生まれ)と中村成信さん(1950年生まれ)のお二人の若年認知症の当事者が軽妙なトークを繰り広げました。
ご覧になれば 認知症に対する誤解と偏見が一挙に解消するはずです。
明るく元気に生活しているお二人ですが 認知症という診断が下ったときは立ち直れないかと思うほどのショックを受けたと語ってくれました。
中村さんの場合は スーパーで万引きした疑いで逮捕されたことがきっかけでした。自分ではお金を払わずに商品を持ち出した覚えがなく「これは冤罪だ」と繰り返しました。起訴は見送られましたが 事件後懲戒免職になりました。
そのお二人が異口同音に話したのは「できないことを悩むのではなく できることに希望を見出す」ことです。
障害や病気・年齢などの差や有無にかかわらず「お互いに声を掛け合う社会」「有用性だけを尺度にせず すべての人が等しく尊い存在であると認める社会」こそが 希望と活力を生み出してくれるでしょう。

2013年4月8日月曜日

「聖域」なき議論に期待

以前このブログで「島崎謙治政策研究大学院大学教授が医療の『フリーアクセス』について見直しを言及した」という話題を取り上げました。
学者や保険者が「フリーアクセス」の見直しを主張することは ある意味必然ではありますが ついに医療界自身からもこの問題を議論の俎上に上げようという意見が出てきました。
発端は「第6回社会保障制度改革国民会議」(3月13日開催)において 大島伸一国立長寿医療研究センター総長が「医療は相当部分壊れかかっている」としたうえで「フリーアクセスの問題を避けて通ることはできない」と発言したことです。
同日の会議でも複数の委員から賛意を示す発言が見られました。
さらには 27日開かれた第7回の同会議では「四病院団体協議会」(四病協)が「地域ごとの需要に応じた専門医の上限を設定するマンパワー規制・自由開業規制も必要」という認識を示しました。
いくらすばらしい政策や制度も 時代とともにその存在意義や形態が変化するのは当然です。
「『聖域』を設けないで議論すること」「既得権に恋々としないこと」が 活力ある社会を生み出す原動力です。