2012年3月23日金曜日

福祉・介護を支えるソーシャルワーカーにエール

昨日 東京都社会福祉協議会の生活相談員研修委員会(委員長:水野敬生江戸川光照苑長)全体会で 法改正・報酬改定と地域包括ケアをテーマに講演を行いました。
2年前にも同会で講演の機会がありましたが 昨日も同じように多くの生活相談員のみなさんが熱心に話を聞いてくれました。
今回は自分が話すだけでなく 最後まで会に参加して 東京家政学院大学人文学部人間福祉学科西口守教授の講演や委員会の今年度の研修成果も聞かせていただきました。
西口教授の「生活問題へのソーシャルワークの視座~地域包括ケアに相談員はどう向き合うのか」という講演は「地域包括ケア研究会報告書」をソーシャルワークの視点から批判的に論評したもので 久しく寡聞にして知ることのなかった「社会福祉」のプロフェッションから明確なメッセージを受け取ったという感慨を覚えました。
また なにより相談員のみなさんの真摯な取り組みとチームスピリットの豊かさを目の当たりにして大いにインスパイアされました。
「福祉・介護の先行きは決して捨てたもんじゃない」と明るい気持ちになりました。

2012年3月12日月曜日

ことばは少し乱暴なほうがいい

昨日・一昨日と上田市で開催された一般社団法人地域ケア研究所(竹重俊文所長)主催のシンポジウムに 講師・コーディネーターとして参加しました。
テーマは「地域で支える―報酬改正への対応」と「介護人材を育てる」で それぞれたいへん意義のある議論が交わされました。
埼玉県認知症高齢者グループホーム・小規模多機能協議会の西村美智代会長や長野県の行政担当者の方々はじめ多士済々のシンポジストとの出会いは貴重なものでした。
さらにうれしかったのは 諏訪市や長野市・高崎市から参加した若い介護職のみなさんと話ができたことです。
経済学者のケインズは
"Words ought to be a little wild, for they are the assaults of thoughts on the unthinking."「ことばは少し乱暴なほうがいい。なぜなら それは思考しない者を思考で襲うことになるから」
ということばを残しています。
私は「辛辣なことをいう講師だ」と思われているようですが ケインズ同様というとおこがましいのですが 少なくとも同じような覚悟で話をしているつもりです。
彼らが「思考し行動する介護職」として活躍してくれることを願っています。

2012年3月5日月曜日

報酬単価の意味の理解が明暗の分かれ道

昨日 日本介護経営学会の総会が行われあわせて記念シンポジウムが開催されました。
テーマは当然「介護報酬」ということになります。
田中滋日本介護経営学会・宮島俊彦厚生労働省老健局長に加え 木村隆次日本介護支援専門員協会会長・武久洋三日本慢性期医療協会会長・馬袋秀男民間介護事業推進委員会代表がシンポジストとしてディスカッションを行いました。
「ケアマネジャーの役割は残るのか」といった 専門職団体のトップにとってはいささか刺激的な議論も行われました。
私がもっとも印象に残ったのは「名称ではなく機能に応じた報酬設定」という論点です。
老健施設に対する在宅復帰支援機能の高い評価はもちろん 特養の新設多床室の報酬単価が引き下げられたこともその一環です。
であれば 訪問介護の生活援助の時間区分や通所介護の時間区分が変更されたのも同じ視点でとらえるべきだということです。
「基本サービス費が切り下げられた」という表面的な理解だけでは 次期以降の報酬改定の方向性や自社のとるべき戦略が見えなくなってしまう危険性があります。