2011年9月22日木曜日

複合型サービス創設の目的は訪看STの規模拡大!?

本日 第80回社会保障審議会介護給付費分科会が開催されました。
議題は 注目の「定期巡回・随時対応サービス」と「複合型サービス」の基準・報酬です。
たたき台(論点)を示してのフリーディスカッションですから 報酬に踏み込む前の人員基準が中心でした。
「定期巡回・随時対応サービス」については 現行の夜間対応型訪問介護を踏襲する案が示されました。介護職員が24時間1以上の配置ということであれば4.2人が最低基準ということになります。
看護職員については「サービス提供に必要な以上」というのが事務局案です。当然のように訪問看護協会からは 医療保険に対応するためにも2.5人以上という意見が述べられました。
「複合型サービス」については 看護師は2.5人以上で「利用対象者は小規模多機能型居宅介護の登録者に限る」ということがはじめて示されました。
これには釈然としない委員も多く「これほど手厚い体制にする意味があるのか」という声も上がりました。
この通り推移すれば あらたに看護職員を雇用数する形ではなく 訪問看護事業所と併設型の小規模多機能型居宅介護でなければ利用者・事業者ともメリットが感じられません。
期待される効果は「訪問看護ステーションの規模拡大および経営の安定」しか考えられません。

2011年9月16日金曜日

医療介護・保育は「町内会の屋台」?

昨日 日本総研と一橋大学が共催した「税・社会保障シンポジウム」に参加しました。
今般の改革について 多彩な講師から有益なレクチャーを受けました。
評価については 現在の政治状況では一定の成果を認めるというものから やらないよりはましな程度まで幅があります。
しかし この改革で今後の社会保障が安泰となるわけではないという認識は深くなりました。
多くのサゼッションの中で興味深かったもののひとつに 鈴木亘学習院大学教授の「社会保険は『町内会の夏祭りの屋台』状態。目に見える価格は安いがその裏には多額の公費負担が存在している。そのため超過需要が生じ 高コスト体質・サービスの質の低下を生む」という意見がありました。
そのため社会保険への消費税投入は避けるべきで 保険料や自己負担のアップで賄うべきだというものでした。
特に競争原理の全く働かない保育分野では 氏の懸念が現実のものとなっているといわれても反論できないのが現状でしょう。
とはいえ専門家の見解がこれほど分かれている状況で 国民=生活者が完全に合理的な行動・選択をすることは困難です。
そこに必要なのは 専門家の知見のうえに国のあり方をビジョンとして示すことでしょう。
分析だけでなく そこから「意思」を導き出すことができなければ政治の意味はありません。