2010年7月21日水曜日

国民と社会のための市民運動を


18日の日曜日「介護の社会化を進める1万人市民委員会」の活動再開を記念したシンポジウムに参加してきました。
同委員会は1996年に堀田力氏と樋口恵子氏が共同代表となって設立され 介護保険制度創設時に積極的に政策提言を行ってきました。
今回は「介護の社会化を進める1万人市民委員会2010」という名称 次期介護保険法改正や介護報酬改定に向け約4年ぶりに活動を再開します。
気がかりは 樋口氏が共同代表を降りたことです。
同氏が「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪」の活動を中心に行うというのがその理由です。
「1000万人の輪」は3月に「現行の要介護認定区分の7区分を3区分(軽度・中度・重度)に粗くし 将来的には認定システムや支給限度額を撤廃」するという提案書を厚生労働省提出しています。
それに対して 堀田代表をはじめとする1万人市民委員会の役員は「要介護認定は介護保険制度の根幹で絶対に必要」という主張です。
私自身も この点は理解できます。
しかし 国民の利益と社会の発展に資するはずの市民運動が「体制支持VS反体制」というステレオタイプの色分けされる事態は「害あって益なし」です。
情緒論や感情論をぶつけ合うのではなく 科学的・社会的な多様な観点から 理論的に意見を交えていくことができなければ 運動は不毛なものとなる事実は 歴史が証明しています。

2010年7月16日金曜日

キャリアの旅立ち

本日 キャリア官僚のFさんから「海外留学が決定した」とご挨拶がありました。
厚生労働省の職員ではありませんが 医療・介護分野を希望していたため ポストが新設され希望通り配属になりました。
私とは「経済成長戦略」策定に関わる仕事でご縁ができました。
彼らの努力によって 経済成長戦略に介護分野の効率化や規制改革が盛り込まれ さらに厚生労働省とも合同して政策提携していこうという流れにもつながりました。
省益にとらわれず 国民・国家のために仕事をするという本来の国家公務員の使命に燃えている人が大勢いるということを肌で知り 心強く思いました。
新たな経験を糧に いつの日にか どこかの自治体の首長となって 理想の実現に向かってまい進してくださるよう祈っています。

2010年7月7日水曜日

国民の声がつくる少子高齢国家のトップモデル

昨日 内閣府の行政刷新会議「規制・制度改革担当事務局 国民の声担当室」の お二人の参事官補佐と「看護師の一人開業」を中心にお話をさせていただきました。
6/14のブログ「冷えた夫婦関係を打ち破るアリの一穴」でもご紹介したとおり 先ごろ行政刷新会議の「規制・制度改革に関する分科会」は 医療・介護など成長分野の規制を見直すための第一次報告書をまとめました。
当初 行政刷新会議のライフイノベーションWG(ワーキングフループ)の議論では 規制改革の要望事項として「訪問看護ステーションの開業要件の緩和(一人開業の解禁)」が提示されていました。
しかし 最終的に第一次報告書では「要望事項」ではなく「今後の検討項目」として「問題提起」にとどまりました。所轄の厚生労働省との折衝で 合意に至らなかったということです。
一人開業反対の論拠は「サービスの質が保てない」「経営が安定しない」の2点に集約されます。
しかし いずれについも 一人訪看ステーションのほうが中規模(2.5人)ステーションより有利なことを示す材料が提示できます。
《問題の本質》  看護師「資格」不足ではなく看護師「機能」不足
《サービスの質》「外形基準・ストラクチャー」評価ではなく「性能基準・アウトカム」評価
《経済合理性》 「規模の利益」の否定ではなく「自営起業」型の新しいコミュニティビジネスモデルの育成

へとパラダイムシフトができれば解決できるのです。
そういう意味では 今回一人開業が議論のテーブルに上ったという事実は「国民の声」を反映したいという政府の姿勢のchangeと 前向きにとらえることができます。
けれども 残された時間は多くありません。政官民が 既成概念や既得権益の制約を乗り越えて 少子高齢国家のトップランナーとしてのモデルを創り上げていかなければなりません。

2010年7月5日月曜日

付加価値の高いケアマネジメント

3日(土曜日)に 3人の介護支援専門員の人たちと 楽しい夕べを過ごしました。
狭山市の独立型ケアマネの長谷川佳和さん・鶴岡市の成澤正則さん・多摩市役所の介護保険担当課長の伊藤重夫さんです。
それぞれ この世界ではよく知られた方々ですが 長谷川さん以外は初対面でした。それでも 会った瞬間から 旧知の友のように 話が盛り上がりました。
ケアマネジメントを中心にした介護や生活支援から 東北・北陸の日本海側の猛暑まで 話題は多岐にわたりました。
その中で一同がうなづいた指摘のひとつに「介護支援専門員の研修で インフォーマルサービスだけのプランを作ってみる」というものがありました。
ソーシャルワークを担う介護支援専門員の力量を図り・高めるために有効であるだけでなく 足りない社会資源に気づき さらに開発するという行動にまで結びつけば最高だ と意見が一致しました。
介護「保険」専門員ではない 介護支援専門員が本来求められるスペシャリストとしての価値は ここにあるはずです。
また そんなスペシャリストたちがここにいるという事実が 明るい希望をもたせてくれました。